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心霊スポット巡礼ツアー④

 公園、教会、踏切に山道と、怪異スポットを巡った藤白が、次に訪れたのは、「不幸の森」と呼ばれる場所。

 

 昼間はパワースポットにもなっているそうで、森で昼寝をする人もいるのだとか。

 奥にある滝は竜神様を祀っているそうで、心身ともに浄化されるスポットだと言われているらしい……

 

 

 夜に森を訪れた人には「不幸」が起こり、滝には女性の霊がでるのだという。

 

 実は、この心霊スポット巡礼ツアーを企画した「三和交通」の方々にも、「不幸の森」を訪れたあと、不幸な目にあったそうです。

(ツアーの予定を組む前に、心霊案内人役の人達は、実際に現場を事前調査しているので、その時に起きたお話しになります)

 

その①:タクシーを運転中、後ろから車に追突された。

 しかも、その時、心霊案内人のご実家にある数珠がちぎれて玉が飛び散ったのだとか……

 彼の母親が、数珠がちぎれたことを心配して、連絡してきたそうです。

 もしかしたら、そのお守りのお陰で、怪我はせずに済んだのかもしれません。

 

その②:別の心霊案内人の方も、交通事故に遭い骨折。

 

 どちらも、「不幸の森」に行ったあと、すぐに起きたことだそうです。

 不幸な目にあった人達の話を総合すると、どうやら、数人で行くと、そのうちの一人に大なり小なり「不幸」が起きるのだとか……

 

 実はこの時点で、藤白。

 

 嫌な予感がしてたんですよねえ。

 

 だって、このツアー(8月某日)の後、8月29日大腸カメラが待っていたんですからぁぁぁぁ!!

 

 これって、『フラグが立った!』っていうヤツじゃないですか。

内心、「やっべーなコレ」と思いつつも、不幸を最小限に抑えるべく、お守りを握りしめて、いざ! 出陣!!

 

 まずは、滝へ向かう入口にあるお社に参拝をすることに。

 そこで、しっかりとお参りを済ませた直後、心霊案内人が「うわっ!!」と悲鳴をあげる。

 

藤白「どうしました?」

案内人「あ、あれ。あんなの昨日の下見ではなかったのに……」

 

 怯える案内人が指さす先には……お社の横に賽の河原のように積み上げられた石が……

 

案内人「気持ち悪い。やだやだやだ」

 

 怖がり、腕をさする案内人に、「あ、これ。写真撮ってもいいですかね?」と訊ねる藤白。

 ドン引きした顔で「い、いいんじゃないですかね?」と言われたのは言うまでもない。

 

 雨上がりの日だったので、足元が悪く、滑りやすい橋や鉄製の階段を進む。

 その先にあるのは、神々しい滝。

 勢いよく流れ落ちる滝から放出されるイオンの効果なのだろうか。

 真夏だと言うのに、ひんやりと心地いい。

 空気も澄んでいて、とても気持ちがよく、心霊スポットには思えない。

 

藤白「なんか、ここ。空気いいですね」

案内人「……確かに。なんか、運気上がりそうですよね」

 

 一旦、少しだけ道を戻ると、来た道とは違う道へと向かう。

 足場が少々悪いものの、その上にはお社と石碑が建てられていた。

 

藤白「これって……」

案内人「この滝に住む竜神様を祀っているみたいですね」

 

 石碑には塩川神社と書かれてある。

 高龗神と闇龗神という文字が見える。

 龗(おかみ)というのは、元はこれが正式は「龍」の字であるという説がある。

 この漢字が日本に伝来した際に、水神や蛇神信仰と合わさって、水神・淤加美神(おかみのかみ)の略語としての意味が形成されたのだとか。

 しかも、この漢字自体が神の名前でもあるので、真名を避けたのが今に伝わる「龍」の文字だと考えられるのかもしれない。

 ちなみに、高龗神(山頂に座する龗)と闇龗神(谷間や山裏に座する龗)の両者を合わせた総称が「龗」だというのが通説になっているそうです。

 

 そんな、ありがたい神社に参拝したお陰で、藤白的には「あれ? ここ。結構いいかも?」と感じたわけなのですが……

 

 

 

 8月29日

 大腸カメラの検査でまさかの「下行結腸がん」(進行性)発見!!!!

 

 

 やはり、「不幸の森」の伝説は本当だったのか!?

 

 

 嫌な予感はしていたので、さほどショックを受けることはなく、総合病院へ転院。

 

 不幸中の幸いと言いますか。

 患部をチョンパすれば、抗がん剤治療もしなくても良さそうでして。

 

「悪いところを早く発見できたお陰で命拾い出来たのかも?」と、感謝しております。

 

 幸福も不幸も捉え方次第!

 

 もしかしたら、今まで「不幸な目」にあった方々も、実は、色々助けられていたのかもしれません。

 

 た

 

 だ

 

 し

 

 とても、神聖な場所であることは確か。

 遊び半分であったり、冷やかしで訪れたりすることだけはおやめくださいませ。